八重山の植物

八重山を訪れる旅行者が最初に驚くのが植物だ。この島の植物生態は、内地のそれとはまったく
違うのです。

この島はやっぱり亜熱帯、山間部に入るとまるでジャングルなのだ。10mを超すポトス・長さ70セ
ンチ近い豆の木、まるで「ジャックと豆の木」の世界に迷い込んだようだ。


アダン

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サキシマスオウ

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オオバアコウ
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海岸に自生している。この樹の実は、一見パイナップルに良く似ていて観光客がよく勘違いする。

たこのき科の常緑樹で、熱帯アジアから台湾、熱帯・亜熱帯の海岸近くやび崖に分布。琉球列島のほぼ全島で自生している。別名リントウとかカネカダン、シマタコノキ。
マングローブ樹林や、低湿地帯に生える木で、「板根」と呼ばれる波板状の根が四方八方に伸びる。

昔はこの板根で船の舵やテーブル・まな板などを作ったらしいが、今は伐採できない。
大きな樹は20mを超える大木。
ガジュマル、ハマイヌビワ等とともに「絞め殺し植物」と呼ばれ、鳥によって運ばれた種子が、岩上や樹上でも発芽し、その岩や樹木を土台にして成長することができる。

石垣島では「とぅばらーま大会」が催される「三番アコウ」や白保小学校前にある樹が有名。

ヒカゲヘゴ

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ヒカンザクラ(緋寒桜)
またはカンヒザクラ
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ブーゲンビレア
筏桂(イカダカズラ)
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一見してヤシの樹のように見えるが、実は「シダ」の仲間で、よく恐竜映画に出てくるジュラ期の生き残り。

八重山の森にはスギやヒノキはなく、シダ植物や椰子類の天下。森にはハブが生息するため、人はあまり森に入ろうとしない。

名前のとおり日陰に生える樹。
八重山の桜はこのヒカンザクラだ。ヒカンザクラとは「緋寒桜」と書き、八重山では1月に咲く。

ソメイヨシノの南限は種子島あたりで、ここには内地風の白い桜は咲かない。
僕は、2度、内地からソメイヨシノの苗を送らせて植えてみたが、花が咲かず1年ほどで枯れてしまう。
いつが春なのか分からないらしい。
八重山におけるガーデニングの定番の花。この島の抜けるような青空にはブーゲンビレアが良く映えるのだ。南アフリカ原産だが今ではとっても八重山らしい花となった。

この花の名前はフランスの探検家ルイ・アントワーヌ・ド・ブーゲンビユが最初に発見した事に由来している。

デイゴ(花)

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サンダンカ(山丹花)

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ベンガルヤハズカズラ

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デイゴは沖縄の桜だ。
この花が咲くと、八重山人(やいまんちゅー)たちは「春」の訪れを肌で感じる。
「デイゴの花がきれいに咲く年は台風が多い」とも言われる。確かに2004年の春にはデイゴが見事に咲き誇り史上2番目の台風がやってきた。

八重山の方言では「アカヨーラ」とも言う。
デイゴと並んで沖縄を代表する花。

沖縄の三大名花と言われるのは、デイゴ、オオゴチョウ、そしてサンダンカのことだ。

俗に「三段花」と言われるが、正しくは漢字で「山丹花」と書く。
インドのベンガル地方を原産とすることが和名の由来。

花は藤のように房状に長く垂れ下がるため、建物や壁・棚にはわせ、日除けのように利用している様子を良く目にする。

次から次へと開花するので掃除も大変だ。

インドソケイ(プルメリア)

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オオゴチョウ(大胡蝶)

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クワズイモ

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キョウチクトウの仲間で、西インド諸島やメキシコから南の中米が原産地。

ハワイでは歓迎や祝いの時に使う「レイ」はこの花で作る。
蝶が群舞しているように見えることから大胡蝶と言う。
琉球王朝時代に海外から持ち込まれた植物で、暖かい気候を好むので沖縄に定着したようだ。
サトイモやタロイモに良く似ているが「芋」が出来ず、有毒であるため「食わず芋」と呼ばれる。

八重山では山中の道路脇などで普通に生えているが、内地の花屋では観賞用として結構な値段で売られている。

サガリバナ(サワフジ)
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ゲットウ(月桃)

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ヤエヤマヒルギ
(八重山漂木)
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夜の内に花を咲かせ朝には散ってしまう神秘的な花。
樹高20mになる。 葉は長さ40cm、先は尖り、小さい鋸歯がある。 花は白色で多数の長い白色の花糸をもつ。

別名、サワフジとも呼ぶ。名前のように花が長い花序に垂れ下がってとても可憐だ。
ショウガの仲間で、別名アルピニア。
九州南部から中国南部〜熱帯アジアに分布する。

いたるところに自生している多年生草木で、香りが強く、料理や薬草としても使われる。
八重山のマングローブを代表する木。白い花が咲くため別名「シロバナヒルギ」とも呼ばれる。

独特な根は「支柱根(しちゅうこん)」と呼ばれ満潮時には魚の住処になったりもする。

石垣島では一番海沿いに生育している。

グンバイヒルガオ(軍配昼顔)
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オオハマボウ
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イエライシャン(夜来香)
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八重山の砂浜に自生している植物のなかで、一番どこででも見られるもののひとつ。

乾燥や潮害に強く、広くツルを伸ばしてビーチに緑地を作る。
ハイビスカスの仲間の黄色い花は、夕方には落ちてオレンジ色になる。
方言名を「ユウナ」と言い、沖縄では海岸の沖積地を「ユナ」と言うことから,ユナに生える木ということで名づけられた。
インドからインドシナ原産のガガイモ科の多年性つる植物。香りが時間によって変化し、真夜中から早朝にかけて何とも言えない甘い香りを発する。
良く似た花に夜香花(ダマ・デ・ノーチェ)があるが別種だ。
この夜来香という花を題材にした歌謡曲は、昭和13年に中国名:李香蘭 (山口淑子)が唄った曲で、日本全国に大ヒット。

トックリキワタ(徳利木綿)
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ホウオウボク(鳳凰木)
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ギランイヌビワ
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遠くから見るとまるで桜のように見える花。
沖縄の秋を彩る花木で、幹が徳利のような形が特徴だ。

八重山では11月に咲く秋の花。
石垣島の街路樹で、一番目立つのがこれ、フクギやテリハボクの街路樹と並んで鮮やかな赤い花を咲かせる。

とても南国的な樹で、初夏になると、枝を広げて爽やかな木陰を作る
高さ 10 〜 20m になる常緑高木で、幹や太い枝に直接イチジク形の実がなるとても不思議な樹。

ヤエヤマオオコウモリはこの実が大好物で、夕方になるとこの樹の周りに集まってくる。

ノニ(八重山アオキ)

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島コショー
(ヒハツモドキ)
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シマオオタニワタリ
(島大谷渡)
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近年、健康食品としてにわかに脚光を浴びてきたノニ。

タヒチなどでも「ハーブの女王」とか「神からの贈り物」などと呼ばれている植物。
精神的安定の向上を促し、血圧を抑制したり、うつ病や偏頭痛に効果があるとされている。

八重山では、海辺の森などに自生している。
古代ギリシャローマ時代より愛用された希少種のコショーで、正式名は「ヒハツモドキ」という。
八重山のものは、マレーシア原産のが野生化したと言われており、16世紀の「大航海時代」には、これを求めてヨーロッパの船が八重山まで来ていたようだ。
その名残が八重山方言に残っており、八重山では、このコショーを「ペパーチ:pepperがなまったもの」と呼ぶ。
湿気の多い山中の岩や樹上に着生する大型のシダ植物。「アビス」という観葉植物はシマオオタニワタリの園芸種だ。

柔らかい新芽は食用になり、サラダや天ぷら、おひたし等でなかなかイケるのだ。

ヤエヤマヤシ(八重山椰子)
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マヤプシキ
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コミノクロツグ
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環境庁のレッドリストにも載っている稀少絶滅危惧種の木。

石垣の米原,西表の星立とウブンドル(仲間川中流域)の3ヶ所だけに自生している樹で、高さは25mにもなる。
八重山でも西表島の東部地区だけに見られ、特に仲間川にはまとまった群落がある。周辺には特徴的な「筍根(じゅんこん)」が発達する。
純マングローブ種に分類され、熱帯地方では30メートル近くの高木になる。
石垣島や西表島に分布するヤシ科の植物。
方言名で「マーニー」と呼ばれ、かつては、繊維を着火剤やロープとして、芯は食用に、葉はカゴを編むのに使われた。

モダマ(藻玉)
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オウゴンカズラ(黄金蔓)
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ナンヨウスギ(南洋杉)
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ツルの長さが数10mにもなる大型のマメ科のつる植物。

うねうねとしたツルや木の根元は圧巻だ。
マメ科植物で、サヤの長さは1m以上!豆の直径は5 〜10 センチある世界最大の豆
俗に言う「ポトス」。

高温多湿の亜熱帯の八重山ではポトスも10m以上の高さになる。枝は、大きなものでは大人の腕くらいの大きさになる。
別名「ノーフォークマツ」。スギと同じ球果類の植物だが、スギ科ではなく、ナンヨウスギ科のナンヨウスギ属に属す。

現在は主に南米、ポリネシア、オーストラリアといった南半球に分布しているが、中生代には南北両半球に広く分布していたらしい。

モモタマナ(秋の紅葉)
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モンパノキ
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アレカヤシ
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東南アジアや南太平洋の海岸に生育する半落葉性の高木で、落葉前には大きな葉が赤く紅葉して美しい。

八重山の秋には、ほとんど紅葉する樹がないので嬉しいが、大きな葉がバサッと落ちるので、あまり情緒はない。
南西諸島や小笠原諸島だけに見られる木で海岸の砂礫地に生える樹。
高さは5mほどになるが、横に拡がるものが多くて海岸に貴重な木陰を作る。

ビーチのこの樹の木陰で読書なんかをすると最高!
和名は「コガネタケヤシ」と言い、幹は黄色く、節が出来て竹の様に見える。
「アレカヤシ」の名で一般化しているが、現在はアレカ属には属さないことが分かっている。